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債務者は本当に得してる?消費者金融や銀行の金利が低い理由とは

消費者金融や銀行からお金を借りたいと考える人の多くは、返済する時に負担を減らしたいと考えるので、金利の低い借り入れ先を選ぼうとします。金利というものは、お金を借りる側にとっては少ないに越したものではないので、これは当然の思考の流れと言えるでしょう。

お金を貸す側である消費者金融や銀行側としての本音は、金利は自分たちの利益の大元となるものなので、できるだけ多くの金利を課したいと考えるのですが、単に金利を高くしただけでは、利用者はいなくなってしまいます。

この両者の希望の結果、金利は二極化します。金利が低いのは、信頼できるリスクの低い債務者に対してであり、金利が高いのは、リスクの高い債務者に対してのサービスとなります。

債務者の立場としては、金利が低いところからお金を借りることができればいいですが、実際には、金利以外の考慮すべき問題もあります。できれば金利が低い借り入れ先を選びたいところですが、本当にそれだけの基準で選ぶのが得になるのでしょうか?

金融業者の金利に関わる背景

通常、私たちは債務者側の立場から借り入れについて考えます。貸金業関連の仕事についている人でなければ、金融業者の裏側を知ることができないのでそれは当然なのですが、ここでは、私たち債務者の視点ではなく、債権者側の視点から考えてみます。

債権者側として、消費者金融の立場に立って考えてみましょう。消費者金融は、かつては、サラ金や街金と言われて国民にあまりいいイメージを持たれていませんでした。この理由は、お金を非常に高い金利で貸していたからです。

当時の貸金業による年利は現在では想像できないほどに高く、利率30%超えは当たり前、中には100%を超える違法金利を取る「闇金」と言われるものも存在していました。闇金は現在でもありますが、そこまで高金利な業者はほとんどいなくなりました。

しかし、こんな高金利を利用者に貸せば、当然、返済できなくなる人が続出するのは目に見えています。事実、多重債務や自己破産などの金融トラブルが頻発し、社会問題になりました。1980年代のことです。

そうした背景もあり、政府は貸金業の新しい法律である「利息制限法」を作り、過度な金利を債務者に貸すことを法的に禁じたのです。また、貸金業を営業するときには、政府にその旨を届けて認可を得なければいけなくする措置をとりました。

闇金というのは、この認可を得ずに無断で営業・経営をしている金融業者を指すのです。違法金利の貸金業者のことではありません。そのため、表向きは健全な金利に設定している金融業者であっても、実は闇金だったということもあり得るのです。

債権者が金利を低くする理由

金利は高ければ高いほど業者の単純な収益は増しますが、だからといって法的な制限ギリギリな金利ばかり設定していると、逆に業績はマイナス化してしまいます。

その一番の理由は、客離れです。現在の消費者金融業界は、大手や中小が乱立し、しのぎを削る激戦業界でもあります。

少ない客の取り合いとなっている今、自身の儲けのみを優先し、利用者にとって不利な金利を提示すれば、たちまち利用者は、ほかの金融業者に流れてしまいます。それを阻止するため、業界内ではある程度の暗黙のルールが存在しています。

例えば、借り入れ金額が50万円以下の利用者に課す金利は、どの金融業者も低くても12~15%台を維持しています。借り入れ金額が少ない場合、金利が高くなってもそれほど利子が発生しないという理由もありますが、過度な競争を防止するという目的もあります。

金利を追求しすぎるのは、自社の利益を損なうだけでなく、業界全体の金利の相場を乱してしまい、全体の損失につながると危惧しているのです。

しかし、いくら金利のバランスを保つといっても、他社と差別化を図らなくては、業界で生き残れません。

共倒れを防ぐために、消費者金融などの貸金業者は、大きく分けて、低額借り入れの金利、高額借り入れの金利、短期借り入れ、長期借り入れで力を入れる部分を分けていることが多いです。

また、金利ではなく、別の長所をアピールすることで差別化を図る会社もあります。例えば、取引にかかる手数料を無料にしたり、様々な用途に合わせた借り入れのプランを提供したり(結婚の際のブライダルローンや住宅ローン、マイカーローンなど)します。

低金利で本当に得をするのは誰か

借り入れについて考えると、必ず上がってくるテーマがこれです。金融業者が金利を低くするということは、一見すると利用者にとってありがたいことに見えるのですが、これによって本当に得をするのは誰なのかという問題について考える必要があります。

金利を低くするということは、消費者金融などの債権者側は、多くのリスクを抱えることになります。なぜなら、純粋な儲けが減る上に、利用者は金利が低い金融業者へと流れる傾向があるので、より返済リスクの高い利用者を抱え込む危険性が出てくるためです。

簡単な例を出してみましょう。例えば、ここに二つの金融業者があるとします。Aの業者は100万円借りると10%の金利がかかるとします。一方Bの会社は100万円の借り入れに対する金利は8%だとしましょう。

この時、両方の金融業者を選ぶ権利がある人は、当然ですがBを選ぼうとします。

このままでは、Aの業者は利用者がいなくなり、破産してしまいます。そこでAの会社はこう考えます。「Bでお金を借りることができなかった人のために、Bよりも簡単にお金を貸すようにしよう」と。

ですが、審査内容を簡単にすれば、より返済が困難な人が利用しに来るでしょう。だったら、リスクを抑えるために、もっと高い金利にすればいいと考えるようになります。こうして、審査が厳しく金利が低い金融業者と、審査が緩く金利が高い消費者金融が誕生するのです。(こちらもご参考に→審査が緩いカードローン、在籍確認は必要?

低金利にするということは、その金融業者の本音としては、「利益はそれほど出さなくてもいいから、ちゃんと返済できる人にだけ利用して欲しい」ということなのです。つまり、金融業者が損失を覚悟してまで低金利にするのは、客を選ぶ権利を買っているのです。

利用者にとっては、低金利で借り入れを利用できるのが一番です。その反面、厳しい審査を受けなくてはいけません。低金利を貸すことによって一見損しているように見える金融業者ですが、その裏には、ちゃんと得る物があるのです。

私達は何を判断材料にすべきか

これまでは債権者側の観点から金利をどうやって設定しているのかについて述べてきましたが、肝心の私達債務者としては、どうやって利用する金融業者を選べばいいのかについて考えていきたいと思います。

まず、金利だけで金融業者を選択するのはやめるべきです。今までの内容を否定するような結論ですが、事実、金利だけで利用する金融業者を選ぶのは、適切な選択方法ではありません。

その一番の理由は、金利が低い金融業者が、債務者にとって最も効用が高い金融業者とは限らないからです。効用とは、モノやサービスに対する満足度のことです。

金利が低いという長所が通用するのは、あくまで「できるだけ金利を払わずにお金を借りたい」と考えている人だけなのです。

お金を借りる人には、ほかにも望みがあります。例えば、いち早くお金を調達したいだったり、収入が低いから、生活費の足しにしたいというような理由です。

金利が低いとされる金融業者では、こうした人の望みを叶えられないことが多いです。なぜなら、安全な客を選ぶために審査に時間をかけていたり、収入が低い人に対しての融資はリスクが高いと判断し、審査で落としたりするからです。

つまり、金利が低いというのは、あくまで私たちの判断材料のひとつに過ぎず、実際には、ほかにも考慮するべき点がいくらでもあるのです。極端な話、家から近いという理由が最も大事だと考える人もいるでしょう。

自分が求めているサービスに一番近いものを提供でき金融業者を選ぶべきなのです。借り入れの時には金利に目が行きがちですが、もっと視野を広く持って、別のメリットやデメリットは何があるかを把握した上で選ぶようにしましょう。

【参考ページはこちら】
低金利のカードローンって本当に安全なの?

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